ニュース イメージシグナルプロセッサ用カメラ開発ソリューションキットリリースのお知らせ

2018.08.27 リリース
~1600万画素のカメラシステム開発期間を短縮するソリューションキット~

 当社は、高速インターフェースや画像処理の分野で世界をリードするミックスドシグナルLSI企業ですが、この度、当社イメージシグナルプロセッサ(注1, Image Signal Processor:ISP)THP7312を使用するカメラシステムにおいて、開発期間を大幅に短縮できる開発ソリューションキット(Camera Development Kit:CDK)をリリースしましたので、お知らせいたします。

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 昨今、CMOSイメージセンサーは用途を急拡大しています。CMOSイメージセンサーの弱点であった画質の飛躍的な向上と、CMOS半導体製造プロセスを流用する製造原価の安さから、CMOSイメージセンサーはビデオカメラやデジタルカメラで従来用いられていたCCDイメージセンサーを置き換えるに留まらず、スマートフォン、監視カメラ、産業用マシンビジョン、更にはVR(仮想現実)/AR(拡張現実)/MR(複合現実)などのいわゆるXR市場向けの機器へ搭載が進んでおります。

 CMOSイメージセンサーの後段には、イメージセンサーの出力する生の撮像データを、人間やコンピュータが理解できる画像へ変換処理するISPが用いられるため、ISPの使用用途も併せて急拡大しています。ISPが担う処理は、単なる撮像データの変換だけではなく、イメージセンサーのばらつきから生じる画質補正や、レンズなど光学系の補正処理、フォーカス合わせのモータ制御など、高度な専門知識を組み合わせる画像処理・制御技術が必要です。この技術を実現するISPファームウェア開発期間をいかに短縮できるかが、CMOSイメージセンサーを搭載する機器の市場投入タイミングを大きく左右します。

 当社から今般ライセンスを開始するCDKは、「ハードウェア(当社ISP製品THP7312を搭載)」、「ファームウェア開発向けGUIツール(THine Tuning Tool)」、「ファームウェアのテンプレート」の3つの要素で構成されており、カメラシステムの要求仕様に合わせて、各種パラメータをGUIツールでチューニングできます。当社ISP製品THP7312を使用するカメラシステム開発者は、CDKを利用することでパソコン画面での直観的な操作のみで簡単にファームウェアを自動作成することが可能となることに加え、イメージセンサーやカメラモジュール(注2)の特性を最大限に引き出すことも可能となり、従来のプログラムベースでのファームウェア開発、検証手法と比べ、大幅に開発期間と画質調整期間の短縮を期待できます。また、ご提供する「ハードウェア」、「サンプルコード」を用いることで画像出力可能な状態から開発を開始する事が出来ます。


GUIツールの一例

 カメラ開発ソリューションキットのライセンス開始にあたり、当社代表取締役社長 高田康裕は次のように述べています。「ドローン、ロボテックス、セキュリティ、AR(拡張現実)などのニーズの進展で重要性が高まるイメージセンサー搭載機器の開発を短縮するため、この度、当社から高画質カメラ開発ソリューションキットのライセンスを開始いたします。当社の開発キットを用いれば、当社製1600万画素対応ISPをベースにしたカメラ機器を、GUIの操作で簡単に動作検証することができ、ハードウェア/ソフトウェア/画像処理開発期間の大幅な短縮を提供します。本製品の市場投入に加え、さらに多機能なISP及び開発ソリューションキットを拡充していくことにより、今後ともイメージセンサー搭載機器の開発をするお客様の製品付加価値の向上に貢献し、お客様の更なるニーズにお応えするソリューションを提供していく方針です。」



(注1) イメージセンサーからの画像信号を処理するプロセッサ。
(注2) レンズ部、撮像用イメージセンサー、アクチュエータなどからなるモジュール。

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