ニュース MIPI DSI対応マルチディスプレイ用半導体新製品の量産開始のお知らせ

2024.09.17 リリース
~車載機器および産業機器におけるディスプレイの選択肢多様化に貢献~

当社グループは、高速インターフェースと画像処理技術の分野で世界をリードするLSI事業とAI・IoTソリューションを提供するAIOT事業、AI用GPU搭載機等サーバー提供事業を3本柱に事業展開していますが、この度、車載機器および産業機器においてマルチディスプレイの適用拡大に対応し、急速に普及が進むディスプレイ用情報伝送規格MIPI DSIに対応した情報伝送用半導体新製品THCV353-Qの量産を開始しましたので、お知らせします。
この度、当社が量産を開始したマルチディスプレイ用新製品THCV353-Qは送信用半導体であり、当社製受信用半導体THCV334-Qとのセットで適用でき、ディスプレイ用情報伝送規格MIPI DSIに対応することにより、マルチディスプレイのユースケースを一層拡大することに貢献します。

例えば、車載市場においては、サイドミラー部分に設置された左右カメラの映像を左右ウィンドウ部分に設置されたディスプレイに映し出すシステムを簡素に構成することが可能となります。

また、産業機器においては、コンビニエンスストアのレジ上部に設置されるマルチディスプレイに対して、統合的に画像データ配信が可能となります。
 
車載機器におけるマルチディスプレイ情報伝送例

今回量産を開始したTHCV353-Qは、画像データを分割伝送するのに加え、音声データも同一伝送路での伝送が可能です。例えば、インフォテインメント用途でシステムLSIから映像と合わせて出力される音声信号を映像と同じ伝送路で送信することにより、システム構成を簡素にすることが可能となります。

さらに、汎用入出力信号伝送のためのGPIO信号を高速で情報伝送できます。ディスプレイ上のタッチパネルの制御信号やシステムLSIへの割込信号の応答速度に優れるほか、液晶ディスプレイのバックライトコントロールの設計が容易になるなどGPIOの利便性と設計自由度が高いという特長があります。
簡素なシステム設計が容易となるため、より安価で消費電力の低いシステムLSIを用いたシステム実現の選択肢が拡大します。

また、精密動作が求められる機器において電波干渉を避けるために、光伝送モードを適用して、光ファイバーで画像データを伝送することも可能です。
 
光伝送モード適用による画像データ伝送例

システムLSIからの出力としてMIPI DSIとLVDSの両方をラインアップされるお客様には、今回のMIPI DSI対応THCV353-Qのほかに、LVDS対応THCV333-Qをご活用いただく選択肢も可能です。

当社といたしましては、高解像度カメラ向け情報伝送システムのラインアップ拡充と合わせて、ヒューマンインターフェースの典型であるディスプレイについても多様なユースケースでの利便性の高い活用に貢献できるよう事業展開を進めていく方針です。
 
THCV353-Q


■ THCV353-Qの特長
  • MIPI DSI to V-by-One🄬HSⅡ変換、推奨レシーバ製品:THCV334-Q
  • MIPI DSI 入力:
    • 1レーン当たり最大1.5Gbps x デュアルポート
    • RGB888, RGB666, RGB565, YCbCr4:2:2対応
  • V-by-One🄬HSⅡ出力:1レーン当たり最大 4 Gbps x 最大2レーン
  • ピクセルクロック
    • Single link : 最大 116 MHz
    • Dual link : 最大 232 MHz
  • デュアルディスプレイ向けのビデオ信号分割
  • 信号伝送品質モニター機能搭載
  • 制御信号
    • I2S / I2C / GPIO (最大14本)
    • バックチャネルGPIO 最大120kbps
    • 2-wire serial 最大1Mbps
  • パッケージ:QFN64(9mm x 9mm)
  • 動作温度範囲:-40 to 105℃
  • AEC-Q100 Grade2 対応

※「V-by-One」はザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。
※「MIPI」はMIPI Alliance, Inc.の登録商標です。


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