ニュース MIPI®︎ CSI-2インターフェース直結型V-by-One®︎ HS新製品の量産出荷開始のお知らせ

2017.06.13 リリース
~イメージセンサに直結し、V-by-One® HSでの長距離伝送システムを提供~
 
 当社は、高速インターフェースや画像処理の分野で世界をリードするミックスドシグナルLSI企業ですが、この度、MIPI® CSI-2インターフェース(注1)に直結可能なV-by-One® HS新製品THCV241-Qを2017年6月より量産出荷することとしましたのでお知らせします。
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  昨今、イメージセンサは高解像度化とHDR(注2)対応のような高性能化が進んでおり、その使用用途は携帯電話のカメラ機能をはじめ、車載カメラや監視カメラ等、多様なアプリケーションに展開されています。大容量の撮像データ出力を特徴とするイメージセンサは、MIPI® CSI-2インターフェースを搭載することが一般的になっていますが、MIPI® CSI-2インターフェースは規格上撮像データの伝送距離に制約が生じるため、アプリケーションにおけるイメージセンサのレイアウトに制限が生じる課題があります。
 今回、量産を開始するV-by-One® HS新製品THCV241-Qの最大の特徴は、MIPI® CSI-2インターフェースをV-by-One® HSインターフェースに変換することで伝送距離を15mまで大幅に伸ばせる点にあります。本製品は、最大8Mpixel 30fpsの撮像データを(または、最大8Mpixel 60fpsの撮像データを)、1対のシールド付ツイストペア線あるいは1本の同軸線で(または、1本のシールド付ツイストクアッドケーブルで)、V-by-One® HSによる伝送が可能な製品です。これにより、MIPI® CSI-2インターフェースを搭載したイメージセンサが抱える伝送距離制約を解消できると同時に、少ないケーブル本数で大容量の撮像データ伝送線路を構築できます。更に、イメージセンサを制御するためのGPIO/UART/2ワイヤ・シリアルインターフェースのブリッジ機能を有しており、撮像データ伝送先のプロセッサ側から伝送元のイメージセンサ動作を制御することができます。また、電源の供給を同じケーブルで行うことも可能です。
 この新製品は車載品質AEC-Q100 Grade 2(注3)に対応しており、急速に需要が拡大傾向にある自動車に車載カメラを複数個搭載する要求に、レイアウトフリー、かつケーブル数削減による重量低減可能なソリューションとしてお使いいただけます。また、本製品はHDR機能搭載イメージセンサが出力する大容量撮像データにも対応でき、V-by-One® HS 1laneで2Mpixel 60fpsのデータ伝送が可能です。更に、V-by-One® HS技術はデータ非圧縮の高速伝送方式であるためデータ圧縮・伸長処理時間が必要なく、例えば自動運転システムを構築する上で欠かせないADAS(注4)用車載カメラに求められる「高解像度HDR映像の伝送」と「伝送遅延ロス低減」の両立を実現できます。
 新製品THCV241-Qの量産出荷開始に当たり、当社代表取締役社長 高田康裕は次のように述べています。「当社は、2016年12月に本新製品のサンプル出荷を開始してから、数年内に1億台への拡大が見込まれる車載カメラ市場をはじめ、監視カメラ市場、医療用カメラ市場等のお客様へサンプルのご提供と製品評価サポートを進めてまいりました。今後は、THCV241-Qの量産により、お客様の製品の付加価値向上に貢献するとともに、お客様の更なるニーズにお応えできる製品開発をしていく方針です。」

■THCV241-Qの特徴
・MIPI® CSI-2入力(1/2/4lane, 1.2Gbps/lane)、V-by-One® HS出力(1/2lane, 4Gbps/lane)
・最大8Mpixel (4K2K) 60fpsの撮像データ伝送可能 (V-by-One® HS 2lane使用時)
・GPIO/UART/2ワイヤ・シリアル・インターフェースの制御信号ブリッジ機能
・CRCを含むエラー検知機能 (撮像データ伝送経路/制御データ伝送経路)
・撮像データの分配機能 (V-by-One® HS 2lane使用)
・AEC-Q100 Grade 2 対応
・パッケージ:QFN 40ピン(5mm×5mm, 0.4mmピッチ, Exposed Pad)

※「V-by-One®」はザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。
※「MIPI®」はMIPI Alliance, Inc.の登録商標です。

(注1) MIPI® CSI-2 (Mobile Industry Processor Interface Camera Serial Interface - 2)インターフェース
MIPI Allianceが策定したモバイル機器内のカメラインターフェース規格。2008年に制定された物理層規格D-PHYはソース同期方式であり、主な使用用途は携帯電話のビデオ信号接続用。信号振幅を±200mVと定義することで低消費電力、かつ高速シリアル伝送を実現できる特徴がある一方、距離を伴う伝送には対応困難となっている。

(注2) HDR (High-dynamic-range rendering)
ハイダイナミックレンジ合成。ダイナミックレンジ(最も明るい部分と最も暗い部分の明暗の比)の広い画像に対し、コントラストを落とした画像に変換する画像合成技法。

(注3) AEC-Q100 Grade 2 (Automotive Electronics Council – Q100 Grade 2)
AECは大手自動車メーカーとアメリカの大手電子部品メーカーによって作られた車載用電子部品信頼性の規格化のための団体。AEC-Q100は集積回路(IC)向け規格を指し、Grade 2は製品の使用温度範囲が-40℃~+105℃であることを表す。

(注4) ADAS (Advanced Driver Assistance System)
先進運転システムの英語略称。事故などの可能性を事前に検知し、回避するシステムの総称。

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