信号減衰の問題を解決し、長距離伝送を可能にする方策とは? USB対応測定器の短TAT開発事例<解決編>

解決のポイント

①リピータICを採用し、信号を復元して再送信
②十分なアイ・パターンの開口が得られ、USB基準をクリア

原因はプリント基板上の長い配線

信号が高速になればなるほど、プリント基板上の配線によって信号が大きく減衰してしまいますが、基板レイアウト上配線長を短くすることができず、通信出来ないレベルまで信号減衰していることが原因、と判明しました。
 
協議の結果、問題を解決する方法として、リピータICを検討する事に・・・
 

リピータICでアイの開口を確保

リピータICとは、ケーブルや配線の抵抗成分によって減衰し閉じてしまったアイ・パターンの開口を広げられ、伝送距離を伸ばすことができるものです。

まずは、サンプル品にてリピータICの効果を評価したところ、期待通りアイ・パターンの開口を十分に確保出来ていることが確認できました。
 
次に、リピータICを実装する場所を確保するため、メイン・ボードに必要最小限の修正を行いました。その後、USB3.2 Gen2 での通信可否を再評価するため、アイ・パターンを測定したところ、事前評価と同様に十分な開口が得られ、マスク・テストをパスすることが可能になりました。Short Channel でも、Long Channel でも大丈夫です。

こうしてO社は、リピータICの採用により、短期間で USB3.2 Gen2 接続が可能な測定器の新機種開発を成功させました。