ニュース 画像センサカメラ向けインターフェース技術VBOC (Video By One Cable/Connector for Camera) 策定のお知らせ

2017.12.11 リリース
 当社は、高速インターフェースや画像処理の分野で世界をリードするミックスドシグナルLSI企業ですが、画像センサカメラ向けインターフェース技術VBOCTM(Video By One Cable/Connector for Camera)を策定したので、お知らせします。VBOCTMは、画像センサカメラからフレームグラバー(注1)に撮影した画像を伝送する既存インターフェース技術方式の一つと比較して、ケーブル・コネクタ・制御通信プロトコルの互換性を確保したまま伝送実効帯域を10倍以上に広げるインターフェース技術です。

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 昨今、IoTやインダストリー4.0等を製造現場へ適用し、作業効率を高める取り組みが活発化しています。AIで画像解析を試みる機会も増えていますが、解析精度を上げるため画像に求められる情報密度は高いものが要求されるようになっています。製造現場ではマシンビジョン(注2)システムを介して工程自動化を構成していますが、画像取得手段としての画像センサカメラは、イメージセンサの高解像度化に伴って鮮明な画像を提供してくれる反面、画像データの増大に伴う伝送速度・処理速度の高速化の実現手段が課題となっています。
当社の高速伝送技術V-by-One® HSは、世界中の大半の4Kテレビ機器内部インターフェースでデファクト・スタンダード(事実上の世界標準)として用いられていますが、画像センサカメラ向けインターフェース技術としてV-by-One® HSをベースとしたVBOCTMを策定しました。VBOCTMは、画像センサカメラからフレームグラバー間のインターフェースの一つとしてマシンビジョンで普及しているCamera Link規格(注3)準拠の標準ケーブル1本で最大2.04Gbpsだった伝送実効帯域を、最大25.6Gbpsで広げることが可能です。更に、Camera Link規格準拠のコネクタと制御通信プロトコルをそのまま使用できる完全互換性を確保しており、ユーザーのインターフェース方式変更時の負担を抑えることができます。また、Camera Link規格準拠のケーブル1本で4台の画像センサカメラをディジーチェーン接続する新しいカメラ接続を構成でき、10mを超えるデータ伝送も実現可能です。
VBOCTMの策定に当たり、当社代表取締役社長 高田康裕は次のように述べています。「画像センサカメラとマシンビジョン市場に向けて、当社から新インターフェース技術VBOCTMを提案し、新しい付加価値の実現を提供したいと思います。VBOCTMの基本技術は、多彩な市場で量産実績を積み上げているV-by-One® HS技術であり、かつ、既存のインターフェース技術方式との互換性を確保しました。VBOCTMを採用するユーザーは、安定した高速伝送技術と大幅に伝送帯域を拡張した製品を簡易に構成できることが期待できます。当社は、高速インターフェース技術のリーディング企業として、今後とも優れたお客様各社と映像市場のイノベーションに貢献していく方針です。」

※「V-by-One」はザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。
※「VBOC」はザインエレクトロニクス株式会社の商標です。
※「Camera Link」はAutomated Imaging Association (AIA)の登録商標です。

(注1) データを処理する装置。
(注2) 対象物の画像を撮影し、それを処理することで電子機器を動作させるシステム。
(注3) 2000年に規格化されたインターフェース規格。カメラとフレームグラバー間の接続を定義しており、物理層はLVDS(Low Voltage Differential Signaling)を用いている。

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